遺産分割がされていない不動産について、ご依頼から2か月ほどで、不動産登記の移転を完了した事例(不動産登記)
1 背景
70代の男性から、亡くなった母(被相続人)の名義となっている不動産の登記の移転をしたい、というご相談をいただきました。
現在住んでいる家の名義は自分(お客様)の名義であるが、その敷地がお客様と被相続人の共有名義になっているため、これを自分の名義に変更したい、とのご意向でした。
お客様によると、すでに他の相続人からの了解は得ている、とのことでした。
もっとも、お客様のご兄弟の一人が被相続人より先に亡くなられており、代襲相続が発生していました。
このように、代襲相続が発生していることに加え、遠方に住む甥とのやり取りに不安を抱えておられたことから、不動産の遺産分割と遺産分割後の相続登記について、当事務所にご依頼いただくことになりました。
2 当事務所の活動と結果
当事務所の弁護士は、すぐさま、他の相続人の住所を調査しました。
そして、弁護士名で手紙を郵送し、当方の意向(お客様が不動産を取得)を伝えて、遺産分割協議の提案をしました。
これに対し、事前にお客様からお聞きしていたとおり、他の相続人はいずれも、当方の意向に応じる旨の回答でした。
そこで、当事務所の弁護士は、お客様が遺産を全て取得するという内容の遺産分割協議書を作成し、他の相続人の署名・押印を取り付けました。
そして、この遺産分割協議書をもとに、取得した不動産をお客様の名義とする相続登記の手続きをし、ご依頼から2か月ほどでスムーズに解決することができました。
3 所感
相続登記が義務化されたことにより、相続財産に不動産が含まれている場合には、速やかに相続登記をする必要があります。
しかし、本件のように、登記の移転を行わなくても相続人の生活に支障がないことから、そのまま放置されているケースが多くみられます。
相続登記をせずに長期間放置し、相続人が亡くなってしまえば、その子どもとの間で遺産分割協議を行わなければならず(代襲相続)、より手続きが複雑になるおそれがあります。
本件では、代襲相続が発生している事案でしたが、当事務所の弁護士が他の相続人との間で素早く連絡対応を進めたことから、遺産分割や相続登記をスムーズに行うことができました。
その結果、ご依頼から2か月ほどで手続きを終結することができました。